鶴女房 脚色・演出/小村哲生



語り継がれてきた

日本人の豊かな心

美しい民話の世界

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昔、貧乏な家の若者が田を打っていたら、鶴が一羽とまった。
その鶴は、身体に矢を負うていて、これを取ってくれと云わんばかりに若者の方を見た。
若者は田を打つのをやめて、矢を抜いてやった。

それから一日、二日たって、その若者の家へ綺麗な娘が一人来て、
「おらをここの嫁にしてくれないか」と云う。
「こんなところへ嫁なんて、だめだ。おらは一人で食うていくのがやっとだで」と断ったが、
「それでもいいから、嫁にしてくれ」と云ってとうとう嫁になった。
ニ、三日もたつと嫁は「六尺四面の機屋(はたや)をあつらえてくれ」と頼んだ。
若者は機屋を作ってやった。

「おらの機を織っている処を見てくれるな」と娘は約束して、一機織った。
それは錦やら何やら知らぬが、そこいらで着るものではなかった。それは高く売れた。
若者は欲が出て、娘に「もう一機織ってくれ」と頼んだ。それで娘はまた織りだした。
若者は決して機屋を覗かんという約束をとうとう我慢できなくて、小さな節穴から覗いて見ると、
一羽の鶴が我が身の羽を抜いては織り、抜いては織りしていた。

すると鶴は、若者が覗き見したのに気がついて「見るなと約束したのに見てしまったのですね」
と云って、飛び去ってしまった。織り上げた美しい布を残して……。

お馴染みの民話「鶴の恩返し」をモチーフに、様々な照明効果や美しい音楽、そして斬新且つ
ドラマチックな演出で、子供から大人までお楽しみ頂ける感動的な舞台に創り上げました。
どうぞ、美しい民話の世界をご堪能下さい。