脚色・演出 小村哲生
今回の「火の鳥」は、13年前に手塚治虫生誕70周年行事の一環として、東京の劇場で上演した作品です。そして、今回手塚プロダクションのお許しを戴き、再演の運びとなりました。平成16年の4月にNHK総合にてアニメ「火の鳥」が放送され、私自身も猿田彦の役で全13話に出演をさせていただきました。その貴重な経験を通して、改めてこの作品の素晴らしさに気付かされました。そして、大きく生まれ変わった「火の鳥〜羽衣編〜」…今、こんな時代だからこそ、未来を担う子どもたちに『限りある命の中で生きることの喜びと尊厳、そしてその意味』を考えてほしい。自然の美しさを、命の尊さを、そして戦争の惨さを知ってほしい。
生の舞台でしか味わうことのできない素敵な時間の中で。 |
(2004年度「火の鳥」東京公演パンフレットより)
《 限りある命の中で生きることの喜びと尊厳 》

【株式会社 手塚プロダクション 】
代表取締役社長
松谷孝征 |
手塚治虫はその作品を通じ、生涯「生命の尊さ」を訴え続けてきました。
手塚治虫がこの世を旅立ってから、22年が過ぎました。その間、手塚治虫の遺業は影が薄れるどころか、益々輝きを増しています。
「鉄腕アトム」の誕生した21世紀に入り、ニューヨークのテロ、イラク戦争、狂牛病やSARS、鳥インフルエンザ、様々な異常気象や自然破壊、地球温暖化のせいか沖縄のサンゴも白化現象を起こしているといいます。数えあげればきりがないほどの事象、これらはことごとく人間が関わっているのです。
手塚は生前講演の中でこう言っています。「・・・酷い現実を見据えつつ、それでもなお、いかに不動に見える現実も、何とか変えていく力が人間にはあるのだということを、どうしてもっと大人は子どもや若者に示してやることができないのでしょうか・・・」
今こそ手塚治虫の心が必要のように思われます。そのせいでしょうか、手塚作品はアニメ、映画、舞台にと、ひんぱんに登場し活躍しています。
劇団民話芸術座の今回の「火の鳥」もそのひとつですが、脚色、演出をされている小村哲生さんは、「雨ふり小僧」「おけさのひょう六」と手塚作品を舞台化されています。そしてこの度の「火の鳥」は13年前にも手塚治虫生誕70周年ということで公演していただいております。
「火の鳥」はご存知の方もおられるでしょうが、生と死にまともに向き合い、輪廻転生を描いた壮大な物語です。過去、未来、過去、未来と交互に描き綴られ、最後に現在を描いて終結させるという、とてつもない発想のもとで創作され続けた、手塚治虫のライフワークといっても過言でない作品です。当然手塚の死により未完に終わっています。
よほど手塚作品を読みこまない限り「火の鳥」の世界観を約70分の舞台で表現できるものではありません。しかしながら小村さんの手塚作品への熱い思いが、もののみごとに「火の鳥〜羽衣編〜」として完成させています。きっと素晴らしい舞台になるものと確信しております。
民話芸術座の舞台から、より多くの子どもたちへ、手塚治虫のメッセージが届きますように。
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(2004年度「火の鳥」東京公演パンフレットより)
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