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    ―乾いた心に降りしきる やさしい雨― 
   




愛らしい妖怪 雨ふり小僧
   
脚色・演出 小村哲生  

  この度、手塚先生の短編の中でも、秀逸といわれている作品「雨ふり小僧」を、原作としていただき、民話芸術座なりの解釈で脚色させていただきました。古くから民話の世界に登場する妖怪の存在は、人間の心(恐れ・憧れ・希望)が生んだものだと考えられています。とすれば、妖怪「雨ふり小僧」は、手塚先生の心の中から生まれた身勝手な人間、傲慢な人間社会に対する警鐘ではないでしょうか。少しでも手塚先生の思いに近づく事が出来れば、そして今、私達が忘れかけている、やさしい心を取り戻すことが出来れば…。 生の舞台でしか味わうことの出来ない素敵な感動の時間を、どうぞご堪能下さい。

(2000年度版「雨ふり小僧」公演パンプレットより) 
 







 

主題歌


大野 真澄

“いつまでも持っていたいもの”

 年齢を重ねると、時間の経つのがとても早く感じるようになりますよね。 子どもの頃、あんなに長く感じた一年という時間が、何もかもが待ち遠しかったあの頃…。クリスマスが、お正月が、夏休みが、日曜日が、たった一週間が、そして学校の1時限の授業さえもが、なんと長く感じたことか…。待ち遠しいって云うくらいで「待つということは、遠いんだ」という意味付けをしたとすると、待つという気持ちが強ければ強い程、時間は長く感じるのかも知れませんね。
 雨ふり小僧の主人公、モウ太は、日々過ぎ去ってゆく時間の中へ、約束という人として、本当に大切な事を置き忘れてしまいました。大人になると、何かが、色んなものが、記憶さえも薄れてゆく。疑うことを知らない雨ふり小僧は、その純粋さ、素直さゆえに、人が成長してゆく時間の旅の中で、消えていってしまいます。約束を信じてただただ待ち続けた、雨ふり小僧が感じた時の長さは、いかばかりのものであったろうか。切なくて心が痛む思いがします。



 
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